13歳の教室で『ビートルズ詩集』に出遭った
13歳の教室で何かがはじまっていた。
クラスの女の子が『ビートルズ詩集』を持っていた。カヴァーの写真の男はチョビ髭をたくわえ真赤なジャケットを着ていた。髭はあまり似合っているとは言い難かった。中学の教室にはビートルズの詩集が似合っていた。ただそれだけのことだったけど、見たこともない世界に触れた気がしてフッと涼しげな風が吹いたように感じた。
その女の子は髪の毛が茶色い男の子と親しげに喋っていた。その子はフーチンと呼ばれていた。僕とは違う小学校から来ていて、サッカーが上手いらしい。「すでにビートルズを知っている」ようだった。その日以来、そいつに一目置くようになった。
彼はのちに親友となる「しんとした浅草神社の境内の猫のような」福富純夫君だった。なぜ彼をそんな風に呼ぶようになったかというと、マア話せば長くなるんだけど、簡単に言うと、ちょっと・・ というかかなり、浮世離れして(笑)いまや福知山の柏原(かいばら)という田舎に引っ込んで暮らしているからなんだけど。それはともかく。
後日、阪急仁川駅近くの川瀬書店で角川文庫の『ビートルズ詩集』を手に取った。片岡義男 訳。これか・・と思った。
ラジカセを買ってもらった。深夜放送を聴きはじめた。友達に借りたビートルズの赤いジャケットのベスト盤二枚組LPを息を潜めてラジカセのマイクで録音した。カセットテープで何度も聴いた。
小遣いを貯めてレコード店へ行った。初めてLPレコード買うのだ。アルバム『ヘイ・ジュード』を買った。売り場のレコード棚の近くにはデイビッド・ボウイーも目だって並んでいてこっちに手招きしていたが怖いので(笑)近づかないようにした。
LPの真ん中には林檎のラベルが付いていた。アップル、すべてのはじまりの。レコードからはいい匂いがした。
(つづく)
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コメント
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投稿 on webcam boys | 2008年5月24日 (土) 20時01分