« 私家版 きょうの名文!【11】 朝のリレー | トップページ | にほんごポップの系譜 2 ~その相関図(スケッチ 1) »

2008年5月 1日 (木)

たった一曲でジャズを生き返らせてしまった女(ひと):寺井尚子

寺井尚子は、アルバム『Jealousy (ジェラシー)』一枚で、いや、冒頭のアルバム・タイトル曲「ジェラシー」一曲で僕のなかで闇に眠り込もうとしていたジャズを呼び覚まし、蘇らせてしまった。

JAZZは古典芸能化の道を歩みつつあり、暗い未来しか展望できずにいた。年寄りの慰みものとしてこのまま朽ち果ててゆくのだと。

でも表現というのは怖ろしいもので、一人のアーティストが、一つの作品が世界を一変させてしまう、というのは大いに起こりうることなのである。それを寺井尚子が再認識させてくれた。

マイルス・デイヴィスが『カインド・オブ・ブルー』でジャズの音楽風景を一変させてしまったように。

優れた表現は音楽ジャンルを、ちまちまとしたカテゴライズをやすやすと飛び越え無化してゆく。

僕の敬愛する音楽批評家にしてDJのピーター・バラカンさんが、毎週土曜日放送のNHK-FMの番組でマイルスの面白いエピソードを紹介していた。

1970年代はじめ、『オン・ザ・コーナー』などファンク色の強い音楽をマイルスはやっていたのだが、別にマイルス本人はジャズによるファンクをやろうだとか、そんな意識は全くなく、ただ自身のやりたいことを(自分がCOOLだと信じる音楽を)やっていたに過ぎない。というような話をされていて・・

素晴らしい音楽を前にするとき、ほんっと、この音楽はどういうジャンルで・・ みたいなハナシどーだっていい、のだ。

だってホラ、マイルスにしても、寺井尚子にしても、「この俺が、私が、音楽だ!」って顔してるもん。

Disc011_3 Img_top_2

http://www.t-naoko.com/

|

音楽」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218940/41056314

この記事へのトラックバック一覧です: たった一曲でジャズを生き返らせてしまった女(ひと):寺井尚子:

» 【裏】作曲の王道 ジャズ & ポップス・レビューの目次 [(裏)作曲の王道 ジャズ & ポップス・レビュー]
New!●第30回 Steve Czarnecki Trio/when I dream of you ~助手席の恋人にキスしたくなるピアノトリオ~ [続きを読む]

受信: 2008年5月 8日 (木) 02時20分

コメント

コメントを書く